肛門内科
食の欧米化やストレスの影響で、「便秘に伴う肛門の病気」が若い世代でも増えてきています。
一方で、肛門の病気はデリケートな部分であるため、来院を躊躇されてしまうケースが数多くあるのが実情です。
当院では、診察室・内視鏡室は完全な個室としており、患者様のプライバシーに配慮しております。
肛門からの少量の出血が続く場合や、肛門の痛みが続く場合には、「性感染症」や「肛門がん」が原因となっている可能性があります。
直腸にできる「尖圭コンジローマ」は、痛みやかゆみを伴わず無症状ですが、がん化する可能性があるため、注意が必要です。
また、いぼ痔だと思っていて放置していたら、「直腸がん」であったというケースもあります。
なにか症状がある場合や気になることがある場合、一度、肛門内科を行っている消化器内科で診察を受けましょう。
肛門内科の病気
いぼ痔
いぼ痔は、排便時のいきみなどで生じる直腸の静脈の瘤(こぶ)のことです。
いぼ痔は肛門の病気で最も多い病気であり、どの年齢層にも起こりますが、45歳〜65歳にピークがあります。
原因には、排便時のいきみ(便秘)、野菜(食物繊維)が少ない食生活、重いものを持ち上げる作業、長時間のデスクワーク、妊娠・出産、慢性下痢などがあります。
いぼ痔では、血便・下血、肛門の痛み、脱肛(だっこう)、痒み(かゆみ)、粘液が出るといった症状が生じます。
合併症には、嵌頓痔核(かんとんじかく)、血栓性外痔核があり、いずれも患部が腫れて、強い痛みを伴います。
治療は、生活習慣の改善、薬物療法、外科的手術があります。
切れ痔
切れ痔とは、肛門の皮膚にキズができることで、排便時の痛みや出血を起こす病気です。
20歳〜50歳代に多く、女性に多いという特徴があります。
原因には、慢性便秘、物理的な刺激、慢性下痢、クローン病などがあります。
排便時・排便後のピリピリ・ジンジンした痛み、少量の血便・下血、かゆみなどを生じます。
治りが悪い場合、性感染症やがんが隠れている可能性があるので、注意が必要です。
治療には、生活習慣の改善、薬物療法、外科的手術があり、便秘にならないことが大切です。
痔ろう
痔ろう(痔瘻)とは、直腸と皮膚にトンネルを作る痔のことです。
直腸や肛門周囲で細菌感染が繰り返されることで形成されます。
30歳〜40歳代の男性に多いという特徴があります。
痔ろうの原因には、
- クローン病
- 結核
- HIV感染
- 膿皮症 など
があり、通常の痔とは原因が異なります。
初期症状は、突然生じる肛門まわりの痛み・発赤・腫れです。
痔ろうが続くと、肛門のまわりに激しい痛みが持続し、痛みで座れなくなります。
また、発熱を伴い、膿みの排出を認めます。
膿みは独特な匂いがあります。
痔ろうは自然治癒することはなく、放置することで悪化していきます。
また、痔ろうを10年以上放置することでがん(痔ろうがん)が発生することがわかっています。
疑わしい場合には、なるべく早く大腸・肛門の診療を行っている消化器内科へ受診しましょう。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは性感染症の1つです。
通常、痛みやかゆみがなく、無症状です。
そのため、大腸カメラを行うことで偶然発見されるケースが増えています。
尖圭コンジローマは良性の腫瘍ですが、がん化(悪性化)することもあるため、注意が必要です
陰部・直腸だけではなく、喉頭に乳頭腫を生じることもあります。
組織を採取(生検)を行うことで、診断確定・治療を行います。
尖圭コンジローマの内視鏡画像
プライバシーに配慮した
診療
肛門の病気は、なかなか家族や他人に言うのが難しかったり、デリケートな領域です。
当院では、診察室・内視鏡室は完全な個室としており、患者様のプライバシーに配慮しております。
診療科目は肛門内科以外に、内科・消化器内科の診療を行っているため、受診する際に周りの目を気にせずに受診していただけます。
また、人間ドックをご予約いただいた場合、完全個室をご利用いただけます。お待ちの時間も、ホテルライクな空間でゆっくりとお休みいただくことが可能です。
少しでも気になる症状があれば、お気軽にご相談下さい。