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大腸がん

⼤腸がんとは

⼤腸がんとは、⼤腸の粘膜に発⽣する悪性腫瘍(がん)のことです。
40歳代から増え始め、50〜70歳代に多く、⽇本での⼤腸がんの発⽣数・死亡数は増加傾向で す。
⼤腸がんは進⾏するまで、⾃覚症状がほとんどなく、初期症状に気づきにくいという特徴があります。
しかし、⼤腸がんは早期発⾒できれば内視鏡治療で完治できるという特徴もあり、「早期発 ⾒・早期治療が極めて重要ながん」です。

ご親族やお知り合いが「⼤腸がん・直腸がん」になったという話を、⼀度は聞いたことがある のではないでしょうか?
がん全体で⼤腸がんの死亡数は、⼥性で第1位、男性で第2位を占めており、⼤腸がんは「命の 危険を脅かすがん」です。
⾃覚症状が少ないため、進⾏してから⼤腸がんが発覚するということは、珍しくありません。
「最近、便秘が続く・おならが頻回にあるけど、気にしすぎかな?」と思って、実際に⼤腸カメ ラを受けてみると、思わぬ形で⼤腸がんが⾒つかるというケースも少なくありません。
⼤腸がんに関して、初期症状・ステージ・余命などの細かい情報まで、消化器病専⾨医・内視鏡専⾨医・胃腸科専⾨医である院⻑が、分かりやすく・詳細に解説していきます。

⼤腸がんとは

⼤腸がんは増え続けています

⽇本では、⼤腸がんななる⽅・⼤腸がんで死亡する⽅の数は、右肩上がりで増え続けています。

1. 新たに⼤腸がんになった⼈の数

最新の2019年のデータでは、⼤腸がんになった⼈は、男性は8万7872⼈で2位、⼥性は6万7753⼈で2位です。
男⼥合わせると1位となり、がんの総数として最も多いのが⼤腸がんです。
がん罹患数の順位(2019年)

  総数 男性 女性
1位 大腸
2位 大腸 大腸
3位 すい臓
4位 すい臓 すい臓 乳房
5位 肝臓 肝臓

2. ⼤腸がんで死亡した⼈の数

つづいて、⼤腸がんで死亡した⼈の数(死亡者数)をみてみます。
最新の2021年のデータでは、⼤腸がんで死亡した⼈は全体で第2位、男性で第2位、⼥性で第1位となっています。

⽇本における⼤腸がんでの死亡者数は、およそ60年前から右肩上がりで増加傾向です。
2020年の統計結果では、ついに年間5万⼈を突破しました。今後も増え続けることが予想されます。

2020年の統計結果では、ついに年間5万⼈を突破しました。今後も増え続けることが予想されます。

⼤腸がんの原因・リスク因⼦

⼤腸がんの原因や危険因⼦(⼤腸がんになりやすい⼈)として、以下のものがあります。

  • ⾼タンパク⾷・⾼脂肪⾷
  • 加齢
  • 加⼯⾁(ソーセージ・ハムなど)、⾚⾝⾁
  • 野菜・果物の摂取不⾜
  • 肥満
  • 運動不⾜
  • お酒(アルコール)の多飲
  • 喫煙(タバコ)
  • 糖尿病
  • 家族に⼤腸がん・⼤腸ポリープの⽅がいる
  • 潰瘍性⼤腸炎
  • ⾷道がんと診断された⽅

⼤腸がんの主な原因は、⾷事内容の欧⽶化(⾼タンパク・⾼脂肪⾷)や、加齢と考えられています。
⼤腸がんになりやすい⾷べ物として、加⼯⾁(ソーセージやハム)・⾚⾝⾁があり、これらの過剰摂取がリスクとなります。
その他のリスク因⼦として、野菜・果物の摂取不⾜、肥満、運動不⾜、アルコールの多飲、喫煙(タバコ)があります。
これらの原因に、遺伝的な要因が関与しています。
家族で⼤腸がんや⼤腸ポリープと診断されたことのある⼈、糖尿病の⽅も⼤腸ポリープになりやすいといわれています。潰瘍性⼤腸炎の悪化が原因でがんができることもあるので、注意が必要です。
⾷道がんがみつかって1年以上経ってから、胃がん・咽頭がん・⼤腸がんが⾒つかることが多いです。
これを「重複がん」といい、⾷道がんでは重複がんを約23%(5⼈に1⼈)と⾼率に認めます。

⼤腸がんの症状

早期がんや進⾏がんの初期の時点では、症状がほとんどなく、がんの兆候となるようなものはありません。
⼤腸がんができてから⾃覚症状のない期間は、約7年間であると推定されています。
がんが進⾏するまで⾃覚症状がほとんどないため、注意が必要です。

⼤腸がんの初期症状

初期症状として以下のものがあります。

これらの症状が約50%の⽅に認められ、⼤腸がんと気づいたきっかけの⼤半を占めます。
がんが⼤きくなり、進⾏していくことで、半年のうちに45 kg体重が減少するといった急激な体 重減少をきたします。
症状は、⼤腸がんができる場所によって異なります。
右側結腸(上⾏結腸・横⾏結腸)と、左側結腸(S状結腸、下⾏結腸、横⾏結腸)・直腸にできた場合での症状を以下に列挙します。

右側結腸 左側結腸と直腸
・貧⾎
・腹痛
・腹部のしこり
・下痢
・⾎便
(初期症状として最多)
・便秘・下痢
・便が細くなる
・腸閉塞の症状
(腹痛、吐き気・嘔吐)
・お腹の張り
・しぶり腹

上⾏結腸、横⾏結腸にがんができる場合、⾃覚症状が乏しいです。
その理由は、上⾏結腸・横⾏結腸では管腔(内部)が広く、便もまだ液体状であるため、がんでせまくなることが少ないためです。
また、上⾏結腸・横⾏結腸のがんでは、⽬で⾒てわかる⾎便が少ない点が挙げられます。肛⾨がんの場合、肛⾨のあたりに痛みが持続し、出⾎を⽣じます。
⼿術の⼿遅れとなる症状として、⽬や⽪膚が⻩⾊くなる「⻩疸(おうだん)」があります。⻩疸を認めるようであれば、肝臓に転移しており、⼿術ができない可能性が⾼いと⾔えます。

⼤腸がんを疑うチェックポイント

こちらの⼤腸がんを疑うチェックポイントに該当する項⽬がないか、ご確認ください。

このような症状を認める場合、なるべく早めに消化器内科を受診しましょう。

このような症状を認める場合、なるべく早めに消化器内科を受診しましょう。

⼤腸がんはどうやってできるの?

⼤腸がんが発⽣する過程(発がん経路)として、以下のとおり主に2つのものが挙げられます。

➀腺腫からがんへ移⾏する経路

(adenoma-carcinoma sequence): ⼤腸ポリープ(⼤腸腺腫)が⼤きくなるにつれて、だんだんとがん(悪性腫瘍)になるという発がん経路です。
⼤部分のポリープはこの経路をたどり、ポリープが⼤きくなるにつれて腺腫が、がんに置き換わっていきます。
家族性⼤腸腺腫症(FAP)という遺伝性の病気も、この発がん経路に該当します。FAPの場合、10代や20代で⼤腸がんが発⽣することがあります。
早期⼤腸がんの内視鏡画像
ポリープの⼤きさは5mm⼤と⼩さいですが、形がいびつなものや出⾎を伴うポリープは要注意です。

➀腺腫からがんへ移⾏する経路

➁正常な粘膜からがんが発⽣する経路

(de novo pathway): ⼀般的に、5mm以下のポリープのほとんどが腺腫といわれていますが、まれに⼩さいポリープでもがんの成分を含むものや、最初からがんとして発⽣するものもあります。これらはde novoがん(デノボがん)といいます。
このポリープは形状が陥凹型(ポリープの真ん中が凹んでいるもの)であり、KRAS遺伝⼦変異が低いという特徴があります。
がんの進⾏速度は、陥凹型の腫瘍のほうが圧倒的に速いです。
陥凹型腫瘍(進⾏がん)の内視鏡画像
⼤きさは10mm程度と、そこまで⼤きくはありませんが、がん細胞が深部まで⼊り込んでいます。
外科⼿術による切除が必要となります。

➁正常な粘膜からがんが発⽣する経路

その他、最近では、➂鋸⻭状ポリープ(SSAP sessile serrated adeoma polyp)からできる経路が注⽬されており、遺伝⼦変異が起こることで、がん化を引き起こすとされています。

⼤腸がんの検査・診断

⼤腸がんを診断するための検査として、以下のものがあります。

  • ⼤腸内視鏡検査(⼤腸カメラ)
  • 注腸レントゲン造影検査(バリウム検査)
  • CTコロノグラフィ(⼤腸CT)
  • 便潜⾎検査
  • ⾎液検査
  • 唾液(だえき)検査(サリバチェッカー)
  • 腹部エコー・腹部CT・腹部MRI検査
  • PET-CT検査

⼤腸がんの診断には⼤腸カメラが重要になります。
注腸バリウム検査やCTコロノグラフィでも、進⾏がんは確認できますが、早期がんなどの⼩さい病変は⾒落としてしまうことがあります。
当院では、唾液による検査を⾏うことが可能です。
唾液中の代謝物を調べることで、⼤腸がんがみつかるケースも多くなってきています。⼤腸がんの診断に必要な検査を1つずつ説明していきます。

➀⼤腸カメラ検査

⼤腸カメラ(⼤腸内視鏡検査)とは、肛⾨から内視鏡を挿⼊し、直腸から盲腸までの全⼤腸と⼩腸の⼀部(終末回腸)を観察する検査です。
⼤腸カメラには、以下のような特徴があります。
・注腸X線検査や⼤腸CTに⽐べて、早期がんを発⾒しやすい
・ポリープをリアルタイムで直接観察できる
・ポリープの形状、表⾯構造や⾎管の⾛⾏を確認できる
・⼤半のポリープは、良性か悪性かの診断が可能
・病変の組織を⼀部採取したり、ポリープ切除が可能
そのため、⼤腸がんの早期発⾒・早期治療が可能となります。
早期の⼤腸がんであれば、内視鏡⼿術のみで完治することが期待できます。当クリニックでは鎮静剤(静脈⿇酔)を使⽤して、眠った状態を確認したうえで、検査を⾏っています。
そのため、苦痛なく安⼼して内視鏡検査を受けることができます。

⼤腸がんの内視鏡画像

1. 早期⼤腸がんの内視鏡画像

ポリープは⼩さいですが、形がいびつであります。
切除後の病理検査にて早期⼤腸がんの診断となりました。

早期⼤腸がんの内視鏡画像
2. 進⾏⼤腸がんの内視鏡画像

こちらは陥凹型由来の進⾏⼤腸がんの写真です。
外科的⼿術が必要となります。

進⾏⼤腸がんの内視鏡画像

こちらは典型的な進⾏⼤腸がんの写真です。
がんによって、⼤腸のなかがせまくなっています。
このような病変も、外科的⼿術が必要となります。

➁注腸レントゲン造影検査(バリウム検査)

➁注腸レントゲン造影検査(バリウム検査)

肛⾨にチューブを挿⼊し、造影剤を注⼊してレントゲンを撮影する検査です。造影剤を⼊れた後、空気を注⼊し、体位を変えながら⼤腸の奥のほうまで造影剤を進めていきま す。
進⾏がんの診断や詳細な場所の把握には有⽤ですが、⼩さなポリープや早期がんがあった場合、検査をしてもわからないケースが多いです。
また、造影剤であるバリウムにアレルギーがある場合、検査⾃体ができません。

➂便潜⾎検査

便潜⾎検査は⼤腸がん検診にも⽤いられており、安全で有⽤な検査です。横浜市では40歳以上の⽅が、検診として無料で受けられます。(保険診療で検査する場合は、2000円程度です。)
⼤腸がんからの⽬に⾒えないほどの出⾎量であっても、便潜⾎検査にて判定できます。便潜⾎検査における⼤腸がんの感度(がんを検出する⼒)は、1回のみ陽性の場合よりも、2回陽性のほうがが⾼いです。
1回陽性の感度は56%、2回陽性では83%とされています。
2⽇法で便潜⾎検査を⾏ったとしても、⼤腸がんの⽅の5⼈に1⼈は結果が陰性になるため、注意が必要です。
そのため、⾎便や体重減少などがあり、⼤腸がんが疑われる⽅では、たとえ便潜⾎反応が陰性であったとしても、⼤腸がんがある可能性があるため、⼤腸内視鏡検査を⾏うことが推奨されています。

➃CTコロノグラフィ(⼤腸CT検査)

⼤腸内視鏡検査と同様、下剤を内服して腸をきれいにしてからCT検査を⾏う⽅法です。CTコロノグラフィでは、肛⾨から炭酸ガスを注⼊して、⼤腸を⼗分に膨らませてから、CT撮影を⾏います。
「タギング法」という下剤とバリウムを飲む⼿法で、⼤腸カメラで内服する下剤の半量〜同程度の量を飲めば、解像度の⾼い画像が得られます。
6mm以上の病変の診断においては⼤腸内視鏡検査に劣らない結果です。⼀⽅で、5mm以下の病変や、表⾯型とよばれる丈の低い⼤腸ポリープの診断能が低く、⾒落とされることがあることが弱点とされています。
また、CTコロノグラフィでは形態の変化がわかるだけで、組織採取やポリープ切除などの治療もできないため、病変を認めた場合は後⽇、⼤腸カメラ検査を⾏う必要があります。

➄⾎液検査・唾液(だえき)検査

⾎液検査では、腫瘍マーカーや炎症(⽩⾎球 CRP)、貧⾎(ヘモグロビン)などを評価します。
⼤腸がんで上昇する腫瘍マーカーは、CEAとCA19-9があります。
CEAは⼤腸がんの⽅の約50%で上昇します。
また、がん以外でも,炎症、喫煙(タバコ)、胆汁の流れが悪いといった理由で上昇することがあります。
CEA・CA19-9は、肝転移などの遠隔転移がある場合は⾼値を⽰すため、再発や転移の指標、抗がん剤の効果判定の指標としても重要になります。
ただし、これらの腫瘍マーカーは、早期のがんでは上昇しないことが多く、残念ながら早期発⾒の指標とはなりません。
唾液検査では、だ液中の代謝物を超⾼感度質量分析することで、⼤腸がんを含め様々ながんのリスクを調べることができます。
唾液による検査「サリバチェッカー」は、がんの早期発⾒が期待できる⾃費診療の検査であり、当院でも検査可能です。
お気軽にお問い合わせください。

➅腹部エコー・腹部CT・腹部MRI検査

⼤腸がんが転移しやすい場所は、肝臓や肺です。
これらの場所への遠隔転移や⼤腸がんの深達度・リンパ節転移の評価に有⽤です。その他、腹⽔の有無や、膀胱や⼦宮などの隣接する臓器へ浸潤しているかどうかを判断できます。

➆PET-CT検査

主に⼤腸がんの転移している場所の特定や、再発しているかどうか判断するために⾏われます。病変が⼩さい場合や、粘液がんなどの⼀部の組織型のがんでは、発⾒しにくいことがあります。その他、超⾳波内視鏡(EUS)で、がんの深達度やリンパ節腫脹の有無を検査したり、遺伝⼦検査で遺伝⼦変異を調べることもあります。

⼤腸がんのリスクが⾼い⽅

アメリカの消化器病学会(AGA)では、
以下のポリープを切除した⽅は、⼤腸がんのリスクが⾼い⽅であると提⾔しています。(⽇本では、まだ明確な基準がありません。)

  • 早期⼤腸がんであった
  • 絨⽑腺腫であった
  • 10mm以上の⼤きさの腺腫・SSA/Pであった
  • 3個以上の⼤腸ポリープがあった

これらの条件のいずれかに該当する場合、⼤腸がんのハイリスク群になります。
1年に1回の定期的な⼤腸カメラ検査を⾏うようにしましょう。

⼤腸がんのステージ分類(進⾏度分類)

⼤腸がんのステージはTNM分類から判断されます。
TNM分類とは、がんを以下の3つの要素(T N M)であらわしたものです。
T:がんの⼤腸壁の深達度
(がんがどこまで下に進んでいるか)
N:リンパ節転移の有無
M:遠隔転移の有無

⼤腸カメラ検査や、腹部CT検査・MRI検査などを⾏うことで患者様のがんの状況を把握し、このTNM分類を⽤いて、⼤腸がんのステージをStage 0からStage Ⅳまでの5段階に分けて診断していきます。
そして、がんのステージをもとに今後⾏う治療⽅針を決定していきます。
⼤腸の粘膜の壁と⼤腸がんの深達度を以下に⽰します。
TisのものをM(粘膜内)がん
T1aのものをSM(粘膜下層)がん
といい、いずれも内視鏡で切除して根治が期待できるがんになります。

⼤腸癌取扱い規約 第9版 2018より引⽤

⼤腸癌取扱い規約 第9版 2018より引⽤

⼤腸がんのステージ(Stage)分類を下に⽰します。
Stage 0・Stage Ⅰ のものを早期がん
Stage Ⅱ、Stage Ⅲ、Stage Ⅳ が進⾏がん
と定義されています。
⼤腸がんのステージ(Stage)を簡単に説明すると、以下のようになります。

Stade 0 がんが粘膜の中にとどまっている
Stage Ⅰ がんが固有筋層にとどまっている
Stage Ⅱ がんが固有筋層を超えて広がっている
Stage Ⅲa がんが3個以下のリンパ節に転移している
Stage Ⅲb がんが4個以上のリンパ節に転移している
Stage Ⅳ がんが遠隔転移している
(がんが肝臓や肺、腹膜など離れた臓器 に転移している

⼤腸がんのTNM分類とステージの対応表

⼤腸がんのTNM分類とステージの対応表

⼤腸癌取扱い規約 第9版 2018より引⽤

⼤腸がんの5年⽣存率・余命・治る確率

⼤腸がんはステージによって、その後の⽣存率が⼤きく異なります。
5年⽣存率とは、
⼤腸がんと診断された患者さんたちが5年後に何%⽣存しているかをあらわしており、余命を判断する際の指標となります。
「⼤腸がんは、肛⾨に近いほど予後は悪くなる」という特徴があります。
早期がんで適切に治療が⾏えた場合、治る確率はほぼ100%です。
⼤腸がんの部位別・Stage別の5年⽣存率をお⽰します。
いかに⼤腸がんを早期の段階で発⾒し、治療するのが重要であるかお分かりいただけるかと思います。

⼤腸癌治療ガイドライン 医師⽤2019年版より引⽤

⼤腸癌治療ガイドライン 医師⽤2019年版より引⽤

⼤腸がんのステージ別の5年⽣存率

⼤腸がんのステージ別の5年⽣存率

また、⼤腸がんの⽅の約5%は、⼤腸がんが多発するといわれております。
⼤腸がんの内視鏡治療や外科的⼿術を⾏ったあとも、定期的に⼤腸カメラ(⼤腸内視鏡検査)でチェックしていく必要があります。

がんの余命を⻑くする⽅法

がんの⽣存率を良くする⽅法の1つとして、
「フアイア」の内服があります。
フアイアは、以下の癌(がん)に対して、
がんの予防・改善に効果があると報告されています。
⼤腸がん、乳がん、肝臓がん、胃がん、⾷道がん、肺がん、腎臓がん、前⽴腺がん、⼦宮頸が ん、卵巣がん、メラノーマ(悪性⿊⾊腫) など
特に肝臓がんに関しては、消化器病学の領域で世界的に権威のある医療ジャーナル「GUT」に、 その効果が掲載されています。
フアイアを飲んでいるグループでは、以下の3点において、良好な成績が得られました。

  • 無再発⽣存率(がんが再発せずにいた⼈の割合)
  • ⽣存率
  • 肝臓内再発率(がんが肝臓で再発する割合)

無再発⽣存率は、フアイアを内服していないグループよりも約13%⾼く、⽣存率、再発率に関しても、フアイアを内服しているグループのほうが有意に⾼かったという結果が報告されています。
その他、がんに関するエビデンスの⾼い論⽂が、数多く報告されています。
また、国⽴がん研究センターをはじめとした医療機関で、フアイアの市販後調査が⾏われ、安全性が確認されています。
当院で処⽅するフアイアは、⽇本国内で製造・製薬されているものであり、安全に品質管理されていますので、安⼼してご使⽤いただけます。
オンライン診療で、診察を⾏うことで⽇本全国にフアイアを郵送することが可能です。
お気軽にご相談下さい。

⼤腸がんの治療

⼤腸がんの治療の選択肢は、
早期がんであれば

  • 内視鏡⼿術(内視鏡的切除)

進⾏がんであれば、

  • 外科的⼿術
  • 抗がん剤(化学療法)
  • 放射線療法

などがあります。

  • 内視鏡⼿術(内視鏡的ポリープ切除術)

内視鏡⼿術は具体的にはポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があります。
2センチ(20mm)未満の早期がんであれば、当院では⽇帰り⼿術が可能です。
尚、⼤腸の粘膜には痛覚の神経がないため、切除の際にも痛みは全くありませんのでご安⼼ください。

ポリペクトミー
ポリペクトミー
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
内視鏡的粘膜切除術(EMR)
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

外科的⼿術

外科⼿術では、⼤腸がんのある部位の腸とその近くにあるリンパ節(所属リンパ節)を切除していきます。
近年は腹腔鏡下⼿術が主流であり、開腹⼿術と⽐べると体の負担が少なく、⼊院期間も短くできます。
また、ロボトミーというロボット⽀援⼿術を⾏っている施設もあります。

抗がん剤(化学療法)

Stage Ⅱ・Ⅲの⼤腸がんで⼿術の術前や術後に⾏ったり、切除ができないStage Ⅳの⼤腸がん、 再発した⼤腸がんに対して抗がん剤投与を⾏います。

放射線治療

直腸がんの再発予防や⼈⼯肛⾨を回避するために術前、術中、術後に⾏う補助放射線療法と、がんの痛みや出⾎を緩和する⽬的で⾏う緩和的放射線療法があります。
また、⾻転移や脳転移に対して、放射線治療が⾏われます。

⼤腸がんの予防

➀⾷事や⽣活習慣の改善

⾷事や⽣活習慣は⼤腸がんの発⽣に影響するといわれています。
⾷事⾯では、加⼯⾁(ソーセージやハム)・⾚⾝⾁の過剰摂取を控えて、⿂や納⾖、⾖腐などの⼤⾖⾷品などでバランス良くタンパク質を摂取するようこころがけましょう。
また、野菜(⾷物繊維)、果物、カルシウムをバランス良く⾷べましょう。
暴飲暴⾷をしないことも重要です。
また、飲酒は適度なアルコール(節酒)とし、喫煙(タバコ)はなるべく⽌めるようにしましょう。
肥満とならないように運動を⾏い、適正体重を維持することが重要です。
1⽇10〜20分のウォーキングや筋トレなど、無理なく続けられる運動を継続し、肥満や運動不⾜にならないように注意しましょう。

➁定期的な⼤腸カメラを⾏いましょう

⼤腸がんは早期がん・進⾏がんの初期まではほとんど⾃覚症状がありません。
少しのお腹の違和感や痛みがあり、「気にしすぎかな」と思う⽅で、検査をしてみると思わぬ形でがんが⾒つかるケースが多く⾒受けられます。
また、腹痛や⾎便があり調べてみたら、⼤腸がん末期の状態であったというケースもあります。
⼤腸がんを早期発⾒・早期治療するためには、⼤腸内視鏡検査が⾮常に重要です。
40歳を過ぎてから⼤腸がんになるリスクが増えてきます。
まだ⼀度も⼤腸カメラを受けたことがない⽅は、⼀度検査を受けましょう。

➂理想的な⼤腸カメラの検査間隔

⼤腸カメラを⾏う頻度は、患者様⼀⼈ひとりで変わってきます。
以下の条件を参考にしてみてください。

半年〜1年以内のフォローが必要:
  • ⼤腸がんを内視鏡で切除した⽅
  • ⼤腸がんで今年に⼿術をした⽅
1年後のフォローが必要:
12年後のフォローが必要:
  • ご家族で⼤腸がんと診断された⽅がいる
  • 持病で糖尿病のある⽅
23年後のフォローが必要:
  • ⼤腸カメラで異常がない⽅

ただし、お腹の痛みや違和感、⾎便など、何か気になる症状がある⽅は、検査を前倒ししたほうが安全です。
⼤腸がんの⼿術を受けた⽅は、術後の合併症や再発の有無を評価するために、術後5年間は年に1回は⼤腸カメラを受けましょう。
検査に関して、気になることや不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。
⼤腸がんは進⾏するまで、⾃覚症状はほとんどありません。
⾎便や体重減少などが起きてからでは、⼿遅れになってしまい、⼿術ができなくなるケースが多くなります。
⼤腸がんは他のがんと⽐べて、進⾏が緩やかで、⽐較的余命が⻑いものではありますが、依然として死亡率の⾼いがんです。
また、⼿術ができない場合、抗がん剤治療は⼀⽣にわたって続きます。
40歳を過ぎたら、⼀度は⼤腸カメラを⾏って⾃分が⼤腸がんのリスクがあるかどうかをチェックしましょう。
⼤腸カメラ・⼤腸がんに関して気になる⽅、お困りの⽅は、まずはお気軽に当クリニックへご相談ください。

参考:

胃と腸アトラスⅡ 下部消化管 第2版 医学書院
内視鏡診断のプロセスと疾患別内視鏡像-下部消化管 改訂第4版 ⽇本メディカルセンター
最新ガイドライン準拠 消化器疾患 診断・治療指針 中⼭書店
⼤腸癌取扱い規約 第9版 ⼤腸癌研究会 ⾦原出版
⼤腸癌研究会 ⼤腸癌治療ガイドライン 医師⽤2019年版 資料
https://www.jsccr.jp/guideline/2019/document.html
がん情報サービス(国⽴がん研究センター) 最新がん統計
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
Recommendations for Follow-Up After Colonoscopy and Polypectomy: A Consensus Update by the US Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer. Am J Gastroenterol 2020 115: 415-34.
https://www.asge.org/docs/default-source/guidelines/recommendations-for-follow-up-after-colonoscopy-and-polypectomy-a-consensus-update-by-the-us-multi-society-task-force-on-colorectal-cancer-2020-march-gie.pdf?sfvrsn=2b0f8952_2
Nakama H et al. Colonoscopic evaluation of immunochemical fecal occult blood test for detection of colorectal neoplasia. Hepatogastroenterology 1999 46: 228-31.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10228797/