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下痢

下痢とは

下痢とは、なんらかの原因によって便の⽔分量が増えて、軟便や⽔っぽい便(⽔様便)となり、便の回数が1⽇3回以上に増えた状態です。
下痢になることで、1⽇の便が約200g以上になるといわれています。
下痢は便秘とともに便通異常とよばれ、下痢と便秘をくり返すことを「交代性便通異常」といいます。
慢性的な下痢の約30%以上の⽅が、不安を感じており、不眠を引き起こすといわれています。
また、下痢によって⽇常⽣活に⽀障をきたすケースも多く⾒受けられます。
過敏性腸症候群は「20歳〜40歳代のストレス性の慢性下痢」といわれており、近年、増加傾向にあります。
そのほかにも、腸炎、⼤腸がん、すい臓がん、慢性膵炎、ホルモンの異常など、さまざまな病気で下痢が⽣じます。
原因となっている病気を治療しない限り、下痢が続くケースが多いです。
下痢が⽌まらなくてお困りの場合や、市販薬で改善しない場合、消化器内科へ受診しましょう。
下痢に関して、原因から治し⽅まで、消化器病専⾨医・内視鏡専⾨医・胃腸科専⾨医である院⻑が、分かりやすく・詳細に解説していきます。

下痢とは

下痢の種類

便の形状による分類

下痢で⽣じる便には、⼤きく分けて以下の2つの種類があります。

  • 泥状便(でいじょうべん)
  • ⽔様便(すいようべん)

泥状便は、便の形が崩れた便や、泥(どろ)のような半固形の便です。
⽔様便は、⽔っぽい便となったり、固形物を含まない完全な液体である場合を指します。
⽔下痢(みずげり)とよばれることもあります。
腸の炎症が強かったり、消化不良がひどいほど、便は⽔っぽくなる傾向があります。
⼀般的に、「バナナのような⻑い便が1,2本出る」ことが、理想的な便とされています。
便の名称は、便中のの⽔分量に応じて、硬便(こうべん)・普通便・軟便・泥状便・⽔様便に分けられます。
便の⽔分量と便の名称の⼀覧を以下にお⽰しします。

便の⽔分量 便の名称
70 %以下 硬便(こうべん)
70〜80 % 普通便(理想的な便)
80〜90 % 軟便
90〜95 % 泥状便(でいじょうべん)
95 %以上 ⽔様便(すいようべん)・⽔下痢

持続期間による分類

下痢は、持続している期間によって、急性下痢か慢性下痢に分類されます。

急性下痢

4週間以内におさまるもので、急な吐き気・嘔吐や腹痛を伴います。
飲み物や⾷べ物が原因となるとき、感染性胃腸炎、虚⾎性腸炎、抗⽣物質・抗がん剤の服⽤時に⽣じやすいです。

慢性下痢

4週間以上持続するか、反復する下痢で⽇常⽣活に⽀障をきたしている場合、慢性下痢と定義されます。
回盲部切除後の⽅、病気によるものでは、慢性下痢になりやすい傾向があります。
近年、過敏性腸症候群による慢性下痢が増加傾向です。

下痢の原因

下痢の原因は⼤きく分けて5つあり、
➀⾷べ物、➁薬剤の副作⽤、➂ウイルス・細菌感染、➃胆汁によるもの、➄病気の5つに分けられます。

下痢の原因 考えられるもの・病気
1.飲み物・⾷べ物 カフェイン(コーヒー、紅茶)、アルコール、⽜乳、ソルビトール(海藻類、リンゴ、桃、なし、プルーン)、脂肪酸(脂質を多く含む⾷事) など
2.薬剤 NSAIDs(ロキソニン、ボルタレン)、下剤、抗がん剤、抗⽣物質 など
3.感染 ロタウイルス、ノロウイルス、カンピロバクター、サルモネラ、⾚痢アメーバ など
4.胆汁 回盲部切除後 など
5.病気 クローン病、潰瘍性⼤腸炎、⼤腸がん、甲状腺機能亢進症、慢性膵炎、すい臓がん、虚⾎性腸炎、過敏性腸症候群など

下痢の持続が1ヶ⽉未満の場合、⾷事・飲み物、⾷あたりや内服している薬剤が原因であることが多いです。

下痢を起こしやすい⼈の特徴とは?

以下に該当する場合、下痢を起こしやすい状態であるといえます。

  • ⽉経(⽣理中)
  • 強いストレスがある
  • ⾷べ物・飲み物が原因
  • 乳糖不耐症

⼥性では、⽉経(⽣理)が始まると、ホルモンバランスの影響で下痢を起こしやすくなります。
⽇常⽣活でストレスが強くある場合、慢性的な下痢を⽣じることがあります。
脂っこいものや激⾟料理、⽜乳など、ふだんよく飲み⾷いするものが原因であったり、体質的に脂質が吸収されにくい乳糖不耐症である可能性もあります。
こういった下痢でも、医療機関で処⽅できる内服薬で症状の改善が期待できるケースが多いです。

下痢に伴う症状

⼀般的に下痢の際に、腹痛を伴います。
腹痛以外で、下痢に伴う症状の有無が診断していくうえで⾮常に重要になります。
下痢に伴う主な症状の⼀覧を以下にお⽰しします。

下痢に伴う症状 考えられる病気
・発熱、寒気 感染性胃腸炎、潰瘍性⼤腸炎、クローン病 など
・血便、下血 潰瘍性⼤腸炎、クローン病、⼤腸がん、カンピロバクター、サルモネラ、エルシニア、アメーバ⾚痢など
・頻尿、発汗 甲状腺機能亢進症 など
・体重減少 ⼤腸がん、甲状腺機能亢進症、糖尿病 など
・背中の痛み 慢性膵炎 など
・おなら(ガス) 感染性胃腸炎、クローン病、潰瘍性⼤腸炎、過敏性腸症候群 など
・めまい 過敏性腸症候群、⾃律神経失調症など

消化不良が強い場合、緑⾊の下痢が出ることがあります。
下痢が続くことで、おしり(肛⾨)が痛くなることがありますが、クローン病などによって痔ろうや膿瘍(のうよう)ができている場合にも痛みを伴いますので、注意が必要です。
下痢が続くことで、上記以外の病気でも⾎便や出⾎を認めることがあります。
⾎便がひどくなることで、貧⾎症状(ふらつき、息切れ)などを伴うことがあります。

下痢で精査が必要なものとは?

下痢に伴い、以下のチェックポイントに該当する症状がある場合、精査が必要な可能性があります。

下痢で精査が必要なものとは?

このような症状を認める場合、なるべく早く医療機関へ受診しましょう。

下痢の原因となる病気

下痢の原因となる病気は、➀急性下痢と➁慢性下痢で異なります。
急性下痢の原因として最も多いのが、ウイルスや細菌感染による感染性胃腸炎です。

➀急性下痢の主な原因

急性下痢の原因となる病気には以下のものがあります。

  • 感染性胃腸炎(⾷中毒)
  • 薬剤性腸炎
  • 虚⾎性腸炎 など

1つずつ順に説明していきます。

感染性胃腸炎(⾷中毒)

感染性胃腸炎とは、細菌、ウイルス、寄⽣⾍・原⾍の感染により胃や腸に炎症を⽣じる病気です。
⽇本の⾷中毒の3⼤原因は、➀ノロウイルス、➁カンピロバクター、➂アニサキスとされています。

胃アニサキス症では、アニサキスを胃カメラで摘出しない限り、強い腹痛が数⽇間持続します。
カンピロバクター、サルモネラ、エルシニアでは、⾎便を認めます。
ロタウイルスでは⽩い下痢を認めることが特徴です。
主な⾷中毒の病原菌・潜伏期間(⾷べてから症状が出始めるまでの時間)・原因⾷品の⼀覧は以下になります。
何時間前に⾷べたものが原因になるかご確認ください。

ウイルス・細菌 潜伏期間 原因となる食品
⻩⾊ブドウ球菌 30分 おにぎり、⾁・卵の加⼯品など
アニサキス 3〜12時間 サバ、アジ、イカ、タラ、サケ、サンマ、カツオ、イワシなどの刺し⾝・寿司
腸炎ビブリオ 7,8時間 ⿂介類の⽣⾷ など
サルモネラ 6時間 ⾁、卵(卵かけご飯)、⽣の豚⾁、マヨネーズ など
ウェルシュ菌 6時間 ⾁類、⿂介類、野菜、煮物、カレー、シチュー、エビチリ、冷蔵庫のもの など
ノロウイルス 24時間 ⽣牡蠣(かき) など
カンピロバクター 2⽇〜10⽇ ⽣の鶏⾁・豚⾁、⽣乳 など
(BBQで起きやすい)
エルシニア 2〜5⽇ ⽣の豚⾁、冷蔵庫で⻑期保存された⾷品
ボツリヌス 5時間〜3⽇ からしれんこん、瓶詰めの輸⼊オリーブ、乳児期のハチミツ
腸管出⾎性⼤腸菌O-157 1〜9⽇ ⽣の⽜⾁、野菜、ヨーグルトなど

⾷あたりで特に多くみられるのが、作り置きしておいたカレー・シチューなどからの感染です。
調理した後、予熱があるからといって冷蔵庫にしまわずに、放置しておくことでウェルシュ菌が繁殖して、⾷あたりを起こすケースが多いです。
また、冷蔵庫で2,3 ⽇保存していた味噌汁などでも感染します。酸っぱい臭いや味がした場合には、ウェルシュ菌が疑わしいです。
その他、冷蔵庫に残った⾷事を保存していても、エルシニア・リステリア・ボツリヌスといった細菌が繁殖して、⾷あたりを起こします。
鶏⾁や豚⾁は⼗分加熱しなければいけません。
鶏⾁が⽣焼けの場合、カンピロバクターに感染します。
豚⾁が⽣焼けの場合、カンピロバクター、サルモネラ、E型肝炎ウイルス(HEV)、寄⽣⾍(有効条⾍)などに感染する可能性があります。
ノロウイルスや腸管出⾎性⼤腸菌O-157は感染⼒が強いため、ほかの⼈にうつる可能性が⾼いです。
また、その他の病原菌でも、感染している⽅と直接接触することで、他⼈に感染させる可能性はあります。
38℃以上の発熱がある場合、抗⽣物質や点滴が必要となる場合があるので、医療機関へ受診しましょう。

主な食中毒の発症までの期間

薬剤性腸炎

内服している薬剤が原因で、腸に炎症を起こす病気です。
原因となる薬剤には、痛み⽌めとして使⽤されるロキソニン・ボルタレンなど(NSAIDs)、抗⽣剤、抗がん剤などがあります。
抗⽣物質の投与を開始して1〜7⽇後に、突然の⾎性下痢と腹痛で発症します。

治療は原因となっている薬剤の内服を中⽌し、整腸剤などを内服します。

抗生物質による出血性大腸炎の内視鏡画像

抗⽣物質による出⾎性⼤腸炎の内視鏡画像

虚⾎性腸炎

虚⾎性腸炎は、腸を栄養する⾎管の⾎流が悪くなることで⼤腸に炎症を起こす病気です。
動脈硬化の原因となる⾼⾎圧、糖尿病、喫煙する⽅、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の⽅に多くみられるのが特徴です。
そのほかの原因には、便秘、⾼脂肪⾷、 ⽣活習慣の乱れ・運動不⾜・過度のストレスなどがあります。
下痢以外に、突然の腹痛、⾎便・下⾎を引き起こします。

虚⾎性腸炎

➁慢性下痢の主な原因

慢性下痢の原因となる病気には以下のものがあります。

  • ⼤腸がん
  • 過敏性腸症候群
  • 潰瘍性⼤腸炎
  • クローン病
  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
  • 慢性膵炎 など

1つずつ簡単に解説します。

大腸がん

近年、大腸がんの罹患者数と死亡者数が急増しています。
大腸がんがあることで、大腸のなかがせまくなり、固形の便が通りづらくなります。
便が停滞することで、炎症が生じて浸出液(しんしゅつえき)という液体が出ます。
また、便を出そうとするために大腸から粘液が産生されるために、慢性的な下痢が引き起こされます。
大腸がんでは症状が出ないことも多く、慢性的な下痢だけが続くことで、大腸がんが見つかるケースは少なくありません。
大腸がん

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、腹痛やお腹の張り、便秘や下痢が続いているのに、検査で異常が見つからない病気です。
「ストレスが原因で生じる腸の動きの異常」であり、日本人の10〜15%は過敏性腸症候群であるといわれています。
特に20~40歳代に多く、中学生や高校生での過敏性腸症候群が増加しています。
腹痛、便秘や下痢だけでなく、おならの回数が多くなることもあります。
過敏性腸症候群は市販薬の整腸剤では改善することが少ないのも特徴です。

潰瘍性大腸炎

クローン病

腸に炎症をおこす病気である炎症性腸疾患には主に、潰瘍性大腸炎とクローン病があります。
いずれも、国が特定疾患(いわゆる難病)に指定している病気です。

潰瘍性大腸炎は、20〜30歳代の若い方に多く、若年者から高齢者まで発症します。
症状は下痢以外に、発熱、腹痛、血便、おならの回数の増加などがみられます。
大腸だけでなく、目や関節などに症状が出たり、ポリープががん化することがあるため、早期発見・早期治療を行うことが大切です。
潰瘍性大腸炎

クローン病は、口から肛門までのすべての消化管に炎症が起こる可能性があることが特徴です。
10~20歳代の若者が発症することが多く、男女比は2対1と男性に多い病気です。
下痢や腹痛、血便、発熱、体重減少、おならの回数が増えるといった症状を認めます。
そのほか、口内炎や関節炎、皮膚の症状など全身のあらゆる部位に症状がみられます。
クローン病

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。
20〜50歳代に多く、男女比は1:4と女性に多いことが特徴です。
症状として、下痢のほか、頻脈(動悸)、発汗の増加(多汗)、体重減少、手の指の震えなどが認められます。
日常生活では、疲れやすい・イライラする、女性では生理が止まる(無月経)といった症状が出ます。
甲状腺が大きくなり、喉仏(のどぼとけ)のすぐ下が全体的に腫れてきたり、目が突出して完全に閉じなくなったりします。

慢性膵炎

慢性膵炎は、すい臓に長期的に小さな炎症を繰り返すことで、すい臓の機能が低下する病気です。
男性に多く、アルコール、胆嚢結石(胆石)が原因となることが多いです。
下痢に加えて、上腹部痛や背部痛をきたします。
また、すい臓の機能の低下により、糖尿病を合併します。
急激に悪化して、重症の急性膵炎を起こし、命の危険にかかわる場合もあります。

下痢の検査・診断

下痢の原因となっている病気を診断するために、以下の検査を患者様の状態に合わせておこないます。

  • 血液検査
  • 便検査(便培養)
  • 大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
  • 超音波検査(エコー)
  • CT検査
  • MRI検査

血液検査で、炎症や貧血の度合いや甲状腺ホルモンなどを評価します。
また、下痢によって、低カリウム血症になりやすいため、カリウム値を確認します。
感染性胃腸炎を疑う場合、便の培養を行います。
下痢を起こす最も頻度の高い臓器は大腸であるため、大腸カメラを行います。
感染性胃腸炎が、疑わしい場合は組織採取(培養)を行います。
慢性膵炎や甲状腺機能亢進症を疑う場合、エコー検査を行います。
CT・MRI検査は、炎症やがんの評価、全身の検索を目的として行われます。
検査を行った結果、異常が見つからない場合、過敏性腸症候群の可能性を考えます。

下痢止めは危険!?適切な使用法とは?

下痢になることが頻回であり、市販の下痢止めを使用する方がいらっしゃると思います。
たしかに下痢止めには即効性がありますが、下痢の根本的な解決・治療にはなりません。
また下痢止めを使用することで、体に危険を及ぼす可能性があります。
感染性胃腸炎の場合、下痢によってウイルスや細菌を体外へ出さなければ、症状は持続し、悪化します。
感染性胃腸炎があり、頻回に下痢止めを使用してしまうと、ウイルスや細菌を体内にとどめてしまいます。
また大腸がんがある場合でも、血便がなく、下痢だけが持続するケースがあります。
下痢止めの最も良い使用法は、「大腸カメラで腸炎や大腸がんなどの下痢になる病気がないことを確認したうえで、非常時に使用する」というのが一番望ましいといえます。
下痢止めを長期的に漫然と使用することはおすすめできません。

下痢の治療・治し方

原因となっている病気に対する治療を行っていきます。
それに合わせて、整腸剤や胃薬、漢方薬の投与を行います。
下痢による脱水が高度な場合、点滴を検討します。
下痢や、下痢に伴う症状に対して使用する漢方薬には、以下のものがあります。

漢方薬 改善させる症状
・五苓散 下痢、吐き気、胃腸炎
・柴苓湯 下痢、胃腸炎、吐き気、食欲不振
・人参湯 下痢、嘔吐、胃痛、胃炎
・六君子湯 食欲不振、吐き気・嘔吐、消化不良、胃痛
・半夏瀉心湯 消化不良、げっぷ、胸焼け

下痢の対処法

下痢が生じた際には、まずはしっかりと水分補給を行いましょう。
下痢になることが心配になり、水分を控えてしまう方が多く見受けられます。
しかし、水分を控えてしまうことで高度の脱水となり、意識障害をきたすケースも少なくありません。
下痢を早く治すためには、日常生活の改善が重要です。
消化の良いものを食べるように心がけましょう。
暴飲・暴食は避けて、よく噛んで食べるようにしましょう。
最近では、下痢型の過敏性腸症候群に対して、低FODMAP食が有効であると、注目されています。

FODMAP食(フォドマップ食)とは

FODMAP(フォドマップ)とは、小腸で吸収されにくく大腸で発酵しやすい糖質のことです。
以下の頭文字を合わせた言葉であり、下痢の際は、FODMAPを多く含む食品は控えるようにしましょう。
FODMAP(フォドマップ):
F:発酵性の(Fermentable)
O:オリゴ糖(Oligosacchareides)
D:二糖類(Disaccharides)
M:単糖類(Monosaccharide)
And
P:糖アルコール(Polyols)
FODMAP食(フォドマップ食)
また、刺激物や高脂肪の食べ物も控えるようにしましょう。
低フォドマップ食と高フォドマップ食の一覧を以下にお示しします。

低フォドマップ食
(おすすめ)
高フォドマップ食
(食べないほうがいい)
・なす、トマト、オクラ、にんじん、ほうれん草、キャベツ、かぼちゃ、じゃがいも 
・豆腐、豆乳、味噌、バター、砂糖
・バナナ、ブルーベリー、いちご、ぶどう、メロン、グレープフルーツ
・卵、ハム、ベーコン
・ピーナッツ、くるみ  など
・玉ねぎ、にんにく、ニラ、さつまいも、アスパラガス、ブロッコリー、キャベツ 
・海藻類、キノコ類
・りんご、梨、桃、スイカ
・牛乳、アイスクリーム
・ハチミツ   など

下痢があるときの食事

下痢がある際に、おすすめの食べ物・気をつけたほうがよい食べ物の一覧を以下にお示しします。

消化の良いもの 気をつける食べ物
  • ご飯、おかゆ
  • 素うどん
  • 食パン
  • スープ
  • 乳酸菌飲料
  • ヨーグルト
  • 乳製品(牛乳、豆腐、チーズ)
  • 加熱した卵
  • 火の通った野菜
  • 柔らかく煮た大根やニンジン
  • 脂身の少ない肉類
  • 加熱した白身魚、はんぺん
  • りんご、バナナ
  • ヨーグルト
  • プリン、ゼリー など
など
  • 脂肪の多い食事
    炒飯、ラーメン、とんかつ、焼き肉、天ぷら、カレーライス など
  • 胡椒、唐辛子を多く使った料理
    唐揚げ、手羽先、チゲ鍋、四川料理 など
  • 刺激のある飲み物
    牛乳、コーヒ-、紅茶、エナジードリンク、アルコール、炭酸水、炭酸飲料 など
  • ソルビトールを多く含むもの
    海藻、桃、梨(なし)、プルーン など
  • 腸の動きを良くするもの
    納豆、さつまいも、みかん、オレンジ、レモン など
  • キシリトール入りのガム・アメ
  • 消化しにくいもの
    たこ、イカ、貝類、くらげ、ごぼう、たけのこ、れんこん、山菜、きのこ類、こんにゃく類、パイナップル、ぶどう、豆類  など
  • スイーツ
    チョコレート、ケーキ、洋菓子、ドーナツ、アイスクリーム など

ご飯や麺類などの炭水化物を摂りすぎると、下痢になるので食べ過ぎには注意しましょう。
また、小麦粉を使わない「グルテンフリー食」が下痢に有効であるとされています。

お腹を冷やさないようにする

下痢が起こっている場合、お腹を温めるようにしましょう。お腹が冷えることで血流が悪くなり、交感神経が優位となることで消化不良が生じてしまい、下痢が助長されます。
下痢とともに腰痛を認める場合は、腰やお腹が冷えていることが原因で、下痢が生じている可能性があります。
夏場では、クーラーが直接当たらないようにしましょう。

下痢が続くことで、仕事や日常生活に支障をきたすケースは少なくありません。
市販の整腸剤で改善しない場合、無理をせず消化器内科への受診を検討しましょう。
医療機関で処方できる内服薬で、下痢が改善するケースは数多くあります。
また、慢性的な下痢で体重減少や血便を伴う場合、大腸がんが隠れている可能性があります。
下痢に関して少しでも気になったら、当クリニックへお気軽にご相談ください。

参考文献:

最新ガイドライン準拠 消化器疾患 診断・治療指針 中山書店
胃と腸アトラスⅡ 下部消化管 第2版 医学書院
内視鏡診断のプロセスと疾患別内視鏡像-下部消化管 改訂第4版 日本メディカルセンター

日本消化管学会 便通異常症診療ガイドライン 2023ー慢性下痢症 南江堂
日本大腸肛門病学会 便通異常症診療ガイドライン−慢性下痢症 草案
https://jpn-ga.jp/wp-content/uploads/2023/03/jga-gerihen-draft.pdf
日本消化器病学会ガイドライン 過敏性腸症候群(IBS)ガイド
https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/ibs.html
厚生労働省登録検査機関・登録衛生検査所 町田予防衛生研究所 食中毒は何時間後に発症する?
https://www.mhcl.jp/workslabo/hatena/senpukukikan#bb
日本甲状腺学会 一般の皆様へ バセドウ病
http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=40